*** 血瘤腫 hematocele Bluten mole(blood boil)
血瘤とは一般に体腔、特に精巣鞘膜下への血液の浸出ないし貯留による腫張のことであるが、狭義の血瘤腫は上顎洞・鼻腔に多く見られるもので、病理診断ではなく、臨床診断名である。
腫瘤は自然に崩壊して、悪臭ある血性鼻漏をみる。
臨床的には悪性腫瘍と非常によく間違えられやすい。
狭義には鼻茸の鬱血による海綿体様変化を起こしたものや血管腫・血管線維腫・粘膜内に出血したものをさす。
狭義の出血性鼻茸とは病理学的には血管線維腫であり、血瘤腫とは別物とされる。鼻中隔に好発する(血瘤腫は鼻中隔には生じない)。
上顎洞では自然孔付近に生じて、内外に亜鈴状に発育する。
組織学的には、fibrin を主体とするが、その成因には腫瘍性変化と炎症性変化による二次的出血の2説がある(腫瘍では海綿状血管腫など)。
広範な壊死部を有することがほとんど。
摘出すると予後は良い。
画像的には腫瘤辺縁は染まらないで、内部に不規則に造影される部分がある。
骨破壊像を見ることが多い。
悪性病変との鑑別点は正常組織との境界が明瞭なこと、上顎洞内の場合、腫瘤と骨との間の洞粘膜が保たれていること、好発年齢が若い(10-40歳台)ことなどがあげられる。
MRI での鑑別が困難な疾患として、悪性組織球症や横紋筋肉腫などの出血を伴いやすい細胞構築が不均一な悪性腫瘍があげられる。
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posted by やすきー at 00:10| 滋賀 ☀|
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