2010年12月09日

処女膜閉鎖症

*** 処女膜閉鎖症

hematometrocolpos をきたす。

処女膜閉鎖症では著明に拡張した膣とやや拡張した子宮(大きさが変化する)が特徴的。

拡張した子宮とより拡張の著明な腟との間にくびれが見られる。これは子宮頚部である。

尿道圧迫による急性尿閉をきたすことがある。



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頭蓋底リンパ腫

*** 頭蓋底リンパ腫

リンパ腫は頭頚部のいかなる組織も冒しうる。
頭頚部の原発性腫瘍の最大のものは扁平上皮癌であるが、リンパ腫でリンパ節浸潤の強くないものはこれに類似しうる。血管の浸潤・圧迫が少ない点が重要な鑑別点である。

頭蓋底の浸潤は permiative type のものが多く、MRなどではもともとの骨皮質が大部分保たれて見えることが多い。

髄膜浸潤部では髄膜腫のように「dural tail」が見られることがある。

小児では sphenooccipital synchondrosis により浸潤が防がれることがある(成人では癒合するために障壁としての機能がなくなる)。



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脳表在静脈血栓症

*** 脳表在静脈血栓症

産褥期に発症する脳静脈血栓症は比較的まれで、子癇と診断されることがある。
その他、pseudotumor cerebri や benign intracranial hypertension とされている中にもこれが含まれていると言われる。

原疾患は耳鼻科的なものが4割を占める。
その他、妊娠・分娩・経口避妊薬・血液疾患・脱水(小児の重症なもの)・術後などに見られる。

分娩に伴うものは、出産後7-10日めに多い。



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2010年12月08日

頚静脈孔神経鞘腫

*** 頚静脈孔神経鞘腫 jugular foramen neurinoma

頭蓋内神経鞘腫の1.3%。

半数はいずれの神経由来か不明のことが多い。判明するものの中では舌咽・迷走・副神経の順。

脳内の腫瘍体積が優位なら聴神経腫に類似の症状を呈する。

辺縁の明瞭な頚静脈孔の拡大が、glomus jugulare tumor との鑑別点。



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2010年12月07日

表皮水疱症

*** 表皮水疱症 epidermolysis bullosa

軽微な外傷で水疱形成を示す遺伝性皮膚疾患。
4型あり(単純型・優性栄養障害型・劣性栄養障害型・致死型)。

劣性栄養障害型は最もレ線上の特徴に富む。皮膚に萎縮性瘢痕が多発し、皮膚のみならず粘膜・消化管(咽頭・食道と肛門に著しい)・気道・泌尿生殖器に及ぶことあり。手は瘢痕のため拘縮されるが、関節拘縮はない。顎部の低形成(皮膚瘢痕による)も見られる。
低栄養のため骨の脱灰が高度で、歯の早期脱落も見られる。
食道などでは再生が盛んなためか扁平上皮癌の発生が高率。しかし瘢痕・萎縮のため診断は困難である。


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human tail

human tail (caudal appendage)

真性と仮性に分類される。

ほとんどが二分脊椎に合併。
突起の皮下には lipomyelomeningocele を合併している例が多い。
突起の中央には終糸からの索状物が見られることが多い。


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2010年12月06日

有痛性三角骨

*** 有痛性三角骨

三角骨は足の過剰骨の一つで。距骨後突起の後方に見られる。
本来癒合すべき距骨後突起先端が癒合しなかったものとされる。

足関節を底屈し脛骨後縁と距骨との間に三角骨が挟まれて痛みが生じる。

クラシックバレーの爪先立ちやサッカーのキック前に足関節を底屈したときに痛みが生じやすい。

足関節外果とアキレス腱の間に圧痛を認める。
足関節の底屈あるいは内反を強制すると痛みが誘発される。

距骨後突起の骨折をきたし骨癒合が得られなかった場合も三角骨と同様。

保存治療が無効なときに手術的に三角骨を摘出する。



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2010年12月05日

内耳奇形のJackler分類

*** 内耳奇形のJackler分類

1987年に提唱。主力は断層写真の時代である。

A 蝸牛の欠損あるいは奇形
1 迷路無形成(Michel deformity)
2 蝸牛無形成
3 蝸牛低形成
4 不完全分離(Mondini deformity)
5 共通腔奇形

B 正常蝸牛を有するもの
1 前庭・外側半規管の異形成
2 前庭水管拡大



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2010年12月04日

遺残虫垂

*** 遺残虫垂

別名:飜転虫垂切除断端 inversion of appendiceal stump

虫垂切除術の際、埋没縫合により虫垂の一部は残存する。この断端は盲腸内に粘膜下腫瘤をつくることが多い。

この部位からの発生した腫瘍の報告も少ないが見られる。虫垂切除の既往のない虫垂癌に比べ周囲への癒着が多いため、局所再発が多い傾向がある。



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2010年12月03日

薬剤性肝障害

*** 薬剤性肝障害

麻酔による肝障害の原因としてハロセン反復使用がある。

抗不整脈薬剤アミオダロン(商品名アンカロン)は脂溶性で、肝・膵・肺・心・腎などに蓄積する。
肝で代謝、排泄される。血漿消失半減期は 19-53日と長い。
肝のライソゾーム内の燐脂質分解酵素を抑制し、肝での停滞時間の延長をきたす。画像上は肝のCT値の上昇を見る。肝線維症の原因にもなる。


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高血圧性脳症

*** 高血圧性脳症

脳血管攣縮による虚血症状とその後の脳浮腫による。
攣縮の影響は境界域に生じやすい。

高血圧のためにBBBが部分的に破壊され血漿成分が漏出することにより発症するとの説もある。

発症5週間くらいはT2強調画像で皮質と白質に高信号が残る。2〜6カ月にかけて辺縁の造影効果を示すことも多い。



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2010年12月02日

ileosigmoid knot

*** ileosigmoid knot

可動性の大きな回腸がS状結腸を取り囲んで発症する。

回腸の絞扼症状のほうが前面に出る。S状結腸捻転症より経過が速いので注意が必要。

回腸の腸間膜には whirl sign が認められる。

下行結腸や盲腸が内側偏位する。


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巨大馬尾

*** メガカウダ megacauda  巨大馬尾

L5レベルで椎体の前後径の半分以上の硬膜嚢の前後径を有するものをいう。

病因は不明だが、既往歴に外傷・分娩・ぎっくり腰などが見られる。

症状は坐骨神経痛・腰痛などである。



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2010年12月01日

冠血流

*** 冠血流

冠動脈抵抗は中枢側よりも末梢側で大きい。末梢血管(細動脈)が拡張することにより、冠血流量は3〜4倍に増加しうる。

このため狭窄が高度になるまで、症状は発現しない。

冠血流は他の動脈と異なり、拡張期にピークを示す。
A-Cバイパスグラフトも開存していれば冠血流と同様の血行動態を示す。これが狭窄してくると拡張期の血流速度が低下してくる。

肥大型心筋症では単位心筋あたりの血流量と冠血流予備能が低下する。

左心室の血流の96%は冠静脈洞を通過して右房に還流する。冠静脈洞の血流量を計測すれば(シネPC−MRA)、左心室心筋の血流量が推定できる。




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2010年11月30日

rhombencephalosynapsis

*** rhombencephalosynapsis

小脳虫部の低形成・無形成と両側小脳半球(歯状核含む)の癒合が特徴的。

テント上の奇形は頻度が少ないが、透明中核欠損・両側視床癒合・脳梁形成異常・裂脳症などが報告されている。

CTでは第四脳室の変形(長い釣り鐘型)がポイント。



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leptomeningeal gliomatosis

*** leptomeningeal gliomatosis

髄膜発生の腫瘍は髄膜腫・髄膜癌腫症・線維腫・肉腫などの他に glioma がある。
広範に広がるものとして、primary diffuse leptomeningeal gliomatosis (PDLG)がある。

奇形に合併する頻度が高く、heterotopic glial nest から発生すると考えられている。



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2010年11月29日

結核性髄膜炎

*** 結核性髄膜炎

結核性髄膜炎では脳底部の髄膜の肥厚が著明。橋・脚間槽に最も著明。

髄膜は灰色に混濁。
すべての太さの血管に血管炎が生じる。
二次性の脳梗塞や水頭症が生じることがある。

7割で脳実質にも結核腫が見られる。

最も多い脳神経障害は視神経と聴神経である。

亜急性髄膜炎では起炎菌が同定される前に、抗結核剤を投与するのが原則である。

死亡率が高い。また、助かっても重篤な後遺症を残しやすい。



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2010年11月28日

黄色靱帯石灰化症

*** 黄色靱帯石灰化症 CYL

黄色靭帯内に石灰化が貯留するまれな疾患。
一種の異栄養性の退行現象と言われる。

頸椎に好発する。
胸椎に好発する OYL とは異なる疾患。

石灰化は繭状〜半球状。画像上柔らかい印象がある。

黄色靭帯骨化症との違いは
・頚椎に好発
・靱帯の中央部に病変がある(骨化症では付着部から始まる)


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2010年11月27日

Blount 病

*** Blount 病

tibia vara(内反脛骨)と言う。

脛骨近位骨幹端内側部の発育障害により、同部の不規則な拡大と骨幹端の嘴状の突出を見る。

骨端症に属すが、壊死はない。

infantile type とchildhood type とに分けられる。前者は歩行開始年齢からあり両側性である。後者は8-12 歳に見られ片側性であることが多い。

腓骨の弯曲は成人の特徴の一つ。

大腿骨の変化は伴わない点で正常小児の内反膝と鑑別できる。



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2010年11月26日

包虫症

*** 包虫症一般

エキノコッカスは、E. granulosus、E. multilocularis(alveolaris)、E. vogeli、E. oligarthrus とに分けられる。後二者は中南米に限局。

echinococcosis は終宿主に起きる場合、hydatid disease とは中間宿主に起きる場合をさす(邦訳はともに包虫症)。

成書にあるうちの多くは、単包虫 echinococcus granulosus についての記載である(単包虫のほうが世界的に広く分布しているとされるが、多包虫も調査が進められるにつれ、その存在範囲は拡大している)。

単包虫と多包虫 echinococcus multilocularis (or alveolaris)は、臨床的に全く異なる。
ともにキツネやイヌを終宿主とし、その糞中の虫卵を経口的に摂取することにより人間に感染する。経門脈性に肝に達するが、単包虫症では肝病巣を欠き肝以外の部位(肺など)に病巣をつくることあり。


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