*** 低酸素脳症
淡蒼球の壊死が有名だが、主とする白質病変の他にも広範な皮質の血流低下が見られる。血流境界域も脆弱部の一つ。
海馬 Sommer 扇状部・小脳 Purkinje 細胞も変性を受けやすい。
大脳皮質第三層と第五層(・第六層)の壊死である cortical laminar necrosis が特徴的。
急性期に脳腫張をきたし、以後全体に萎縮のくるタイプもある。
小児の場合、未熟児と成熟児とで様式が異なる。未熟なほど反応性変化(グリオーシス・瘢痕形成)に乏しい。
未熟児に多いのは、脳室周囲白質軟化(PVL)・上衣下出血・脳破壊性孔脳症で、成熟児では、皮質下白質軟化・瘢痕回・基底核壊死(大理石斑紋など)・多嚢胞性軟化である。
新生児仮死の場合の変化は anoxia によるものと ischemia によるものがある(一般に新生児は年長児に比べると低酸素に抵抗性)。
前者によるものは広範な浮腫・皮質の壊死など。後者によるものは動脈支配域の浮腫・境界域の梗塞など。
両者の浮腫に伴ってうっ血が見られ、二次性に出血が見られる。
PVLは未熟児に多く、その場合は可逆性のことが多く、虚血に無関係のこともある(軽度のPVLは未熟児の正常所見)。
新生児低血糖も無酸素症と同様の結果をもたらすが、出血は少ない。
成人の低血糖後意識障害では基底核部のT1強調画像での高信号化が見られたとの報告あり。
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posted by やすきー at 00:16| 滋賀 ☀|
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