消化管の未分化な間葉系腫瘍の一つ。消化管全体の間葉系腫瘍は80%が GIST、5%が神経原性腫瘍、残りが平滑筋腫瘍。
臓器別発生頻度は胃(60-70%)、小腸(20-30%)、大腸(5%)、食道(5%)。腸間膜や大網発生のものもあり。
食道では GIST より平滑筋腫の方が多い。
胃では幽門部にはほとんど見られない。
spindle cell と epithelioid cell を含む。
内部の出血傾向に富む。3cm以上のものは中心壊死傾向が見られることが多い。
肝転移も富血管性。単純CTでないと見えないことあり。
造影CTばかりでフォローしていると、治療後に低濃度の肝転移が出現するように見えることあり。この場合は治療前にあった(造影CTで見えていなかった)転移が壊死しただけのことがあり、判断を誤る。
腫瘍の偽被膜を術中に損傷すると播種する。
c-kit遺伝子産物(KIT)が発現する。
カハール介在細胞の前駆細胞から発生するとされる。
90% は c-kit の機能獲得性突然変異により腫瘍化し、KIT 依存性に増殖する。
10% は c-kit 変異はないが、KIT 活性化により発生する。
KIT 発現しているものにはイマチニブ(グリベック)が有効。ただし、一番多い変異タイプの exon11変異型には奏功するが、少ない exon9型には効果が少ない。KIT 変異のないものにはまず効かないが、たまに有効例がある。