では検査件数が増えない状況ではメリットはないのかと言えば、読影医のいない施設では画像より得られる情報が増え見落としが減ったり、レポートに書かれた客観的なアドバイスによりその後の不要な検査を削減したりできます。
たとえば造影CTです。読影医のいない施設では不要な造影検査が増える傾向にありますが、最近のCTは速いので、造影CTを1件行う時間で2〜3件あるいはそれ以上の単純CTが行えます。造影CTは医師や看護婦による注射のセットアップなどに時間がかかり、造影加算や造影剤の差額もつきますが、差額は最近はほとんどありません。造影CTをむやみやたらに増やすよりは技師のみでも撮像の行える単純CTを多数行う方が収益は上がります。これにより待ち時間の短縮も図れますので、患者の満足度も上がります。画像診断に慣れた読影医であれば単純CTからでもかなりの情報を引き出すことができます。このように単純CTを増やして不要な造影CTを減らせば、さまざまな意味で病院にメリットとなります。